【雑感003】今の段階での過去問のやり方

エッセイ

過去問の勉強のやり方についてきかれることがあります。

過去問の正しいやり方なんてありません。ただ、過去問って面白いなぁって思ったりするのは、教員になって1年目の授業で、過去問解説を見て、何となく理解し、授業で過去問の解説し。2年目に解説し、3年目に解説し、4年目に、そして5年目に・・・、と毎年毎年、授業で解説するわけですが、その年度ごとに、過去問の見え方が異なってくるんです。気づきがある。最初の年は、理屈だけでこれはこうなのーって教えてたのが、二年目、あー、過去問って結構考えて作りこんでるな、腑に落ちた=「理解した」と思って解説できたと思いきや、翌年、あー、そうか、この問題作成者、こういうこと伝えたくてこの問題作ったのだろなぁ~と「理解した」と思いきや、次の年・・・・と、見え方がどんどん変わっていくんです。その辺の講師が作ってるであろう模試なんかと違い、金・手間・人手・時間を大いにかけて国家試験って問題作ってるから、やっぱり何度といてもその都度、見え方が異なってくるのです。

そういう見え方の変わり具合を楽しめるようにするためには、過去問は見てわからなくても、とにかくまず過去問をやらなきゃ始まらないんですよ。正しい見え方、正しい理解なんてないから、まず過去問を見てみる。こういう問題が国家試験では出るんだな。そして解説見て、あー、条文に書いてあるからこれが答えなのねー、なんて覚えつつ。でも、その都度、勉強を進めるごとに、あー、なるほど、ここが問われるのは条文にのってるからじゃなくて、こういう背景があり、ここが問われているのね、なんてわかってきたり・・・。

国家試験が単なる暗記ゲームだったら、過去問と同じ問題なんて二度と出ないから、何度もやる必要はないのです。でも、国家試験はそうじゃない。勉強が進む都度、その都度、過去問を見直していくと、どういうことが問われているのかが見えてきて、すると、どんなことが問われやすいか、どんな風に問うてくるか、そんなことが見えてきます。すると、だんだん、教科書やレジュメを読んでいても、ここはしっかり覚えたほうがいいということがわかってくるんです。ただ、それがわかったときから過去問やり始めるでは遅いんです。社会福祉士は何年もかけて取るような資格じゃないですから。一年ぐらいで一気に仕上げて、一気にとるべき資格です。

だから、過去問やって自分の目標設定しつつ、授業受け、進んだら、また過去問やって目標を修正しつつ、また授業受け。そしてまた進んだら過去問やって、・・・・の繰り返し。そうやって過去問を読書するみたいに使うんです。いい本やいい小説は最後のオチを知っていても何度も何度も読むじゃないですか。そういう風に、過去問を読む。読み込むんです。するとその都度味わいが違い、味わいの違いを感じるほど、あー、私、それだけ勉強したんだな、なんて感じる。そう感じる一つの例として、科目ごとの問題が、いつのまにか自分の中で連動してくる。繋がってくるんです。そういう実感を得たときに、社会福祉というまとまりを勉強してるという実感がわいてきます。

そのためには、まずは、わからなくても、全体にさらっと目を通すのが大事です。わかったころにやろうとすると、その味わいが得られなくなっちゃう。もう二ヵ月半ぐらい社会福祉の勉強やって、全部が全部わからないわけではなく、なんとなくは足場ができ、そんな今だからこそ、過去問全体にざっと目を通してみる。それがあと二ヵ月後、目を通したとき、あと四ヵ月後目を通したとき、年末に目を通したとき、その都度、見え方が違ってくるから。

なーんてのが、私の過去問のやり方のお勧めです。過去問のこれぞみたいな正しい解説集なんてないのですから、まずはざっと目を通してみましょう。

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