記事を読む前に

このブログでは、「ソーシャルワークや社会福祉に興味関心はあるが資格については知らないんだけど・・・」という程度の人から、「社会福祉士国家試験を実際に受験し合格しよう」と勉強している人まで、ソーシャルワークに関心を持つ人全般にターゲットを絞ったうえで、社会福祉士国家試験の問題を契機とし、それら問題を論理的に解きながら、ソーシャルワーク入門を行います。

実は、このブログを始めたきっかけは、私の教え子で、来年も社会福祉士を受験する人向けに書いていた記事です。
社会福祉士のカリキュラムを一通り学んだ卒業生向けに国家試験対策的なものを、やれる範囲で書いてUPしていたのですが、やっている途中で、どうもそれだけじゃ物足りないし、面白くないと思っている自分に気づきました。

「社会福祉にちょっとでも目が向いた、そんな人ならだれでもソーシャルワークに向いている!」

これが私の持論です。それならば、ソーシャルワークに関心がある者であれば誰でも読めるものにしたうえで、社会福祉士国家試験を使ったソーシャルワーク入門にして、ネット上で限定つけずに開いてみよう、という思いに至りました。このブログを始めて二週間ほどでの大転換。

このアイディア自体は、大学入学試験から哲学入門なるものを書籍でやっている、入不二基義さんやの『哲学の誤読』や、斎藤哲也さんの『試験に出る哲学』あたりの影響のような気もします。
(この手の試験解説系の教養本としては、最近だと福村国春さんの『夢中になる東大世界史』なんかも面白かったですね。さらに追加で、最近、入不二さんが出した『哲学の誤読』の続編ともいえる『問いを問う』も大変面白い本です。ぜひ)

ただし。もちろんですが、社会福祉士国家試験をブログ上で「暗記」で私が解いて見せて、「ここ覚えろあそこ覚えろ」なんて感じの内容になっては、ソーシャルワーク「入門」にはなりません。

「入門」という役割を果たすためには、「論理」で社会福祉士の国家試験の解説をしなければなりません。
ただし、それは無理なことではありません。そもそもにおいて、社会福祉士国家試験そのものは「論理」で問題を解くことを求めているんです。だから、暗記ではなく論理的に理解し問題を解こうとする態度で過去問を学んでいけば、結果として、ソーシャルワークの見方・考え方が身につくように社会福祉士国家試験はできているのです。というのが私の持論です。

ところが、世に出回っている社会福祉士国家試験対策の書籍やネット情報が、あまりに暗記過多に偏っています。
(「暗記が8割」とか言ってる参考書もちらほら。何をもって暗記が8割なのか???)
それら参考書の類を見て、ソーシャルワーカーを目指すことをあきらめる人が出てくることを、現場にいる者として危惧しています。端的にそれら解説が面白くないのはいいのですが、そこからソーシャルワークそのものも面白くないと思われては困ります。
ちょっとでもソーシャルワークに関心を持った、そんなあなたを社会は待っているからです。

そこで、こんなブログを作ってみました。

せっかく社会福祉に目が向いたのです。そんなあなたには、ぜひソーシャルワーカーとなってみんなが生きやすい社会を目指していってほしいと思っています。

国家試験の受験がソーシャルワークの学びとして無駄なのかどうか。それはあなたがこの国家試験にどう向き合うかによって決まります。

「五肢択一の試験なんて現場の役になんか立たないから、資格取得のためと割り切ってひたすら暗記するしかないんだ」などという物言いに、私は真っ向から反対したいと思います。
なぜなら、国家試験は、五肢択一という形式を使いながらソーシャルワークとは何か、私たちに伝えてくれているからです。

それゆえ、ここでは、社会福祉士国家試験に論理的に向き合う、そんなやり方(=「社会福祉士国家試験をロジカルに解く技法」)を主として過去問を解くという作業を通してお伝えしていきたいと思います。

そして、できれば、第33回過去問の問題1から順々に解いていき、順番に解説を読んでもらうことを希望します。というのも、国家試験は、問題を解く順番にも論理的な意味を与えています。ですから、問題1から順番に問題を解き、ブログの解説読み、150問をやり遂げた後には、ソーシャルワークの見方・考え方が見えてくる、そんな構成にしていくつもりです。

※追伸:すでに第34回、さらに第35回の国家試験も行われ、結果も出ているのですが。さらには、もう第36回国家試験までカウントダウンの時期にきて・・・。
でも、まぁ、じっくり第33回を解きましょう。終わったら、第34回に進みます。終われば第35回へ。・・・・。
「おいおい、いつになったら一番新しい国家試験過去問に追いつくんだ」って方へ。
一番新しいのが「使える」「正しい」情報って考えをガラッと変えてください。なぜなら、そんな見方を国家試験はあなたに求めていないことは明らかだから。あなたに国家試験が求めているのは、ソーシャルワークによる見方・考え方であり、それを踏まえて社会を眺めてみることですよ。

ということで。ソーシャルワークの見方・考え方を国家試験そのものから学び、身に着けていきましょう。

2023年11月7日(改訂) ヘルパー兼しがない教員

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