このブログのタイトルや自己紹介、「社会福祉士って何?」という問いへの私なりの応え方など参照いただいているならば、私が勉強の仕方として、「誰でも受かる正しい勉強法」なるものを開示するわけではなさそうだな、ぐらいの検討をつけてこのページを開いた、そういう人が大半だと思います。
このブログでは、社会福祉士国家試験の問題そのものを「論理的に」かつ「根源まで遡って」理解しようとすることを通して、ソーシャルワークという見方・考え方を学ぼう、というスタンスをとっています。
なぜなら、それが結果として、あなたがなりたい社会福祉士になるための「最短ルート」だと、私は思うからです。
ですから、暗記を重視し要領よく国家試験に合格する、そのようなあり方を「最短」と呼ぶサイトや参考書類、講師とは立ち位置を異にします。
第一教材 過去問3年分
さて、このようなブログの趣旨からすると、勉強に使う第一教材は過去問になります。
徹底して過去問と向き合い、過去問と葛藤し、過去問をしゃぶりつくし、最後には過去問を愛してしまう。そこまでいけば、勝手に合格します。
「過去問は何年前までさかのぼってやればいいんですか?」
よく聞かれます。私は古くても10年分ぐらいまでは十分に使えると思っています。ただ、社会福祉の制度が年々少しずつ変わっていますので、制度が変わったところを問うている過去問について、自分でしっかり調べ、理解できることが前提になります。
もちろん、「10年分も遡れないよ」という人がほとんどかと思います。では、最低限にしぼりましょう。最低3年分はやるべきです。これには根拠があります。社会福祉士国家試験が今のカリキュラムになった10年ほど前以降、社会福祉国家試験をしきっている「公益財団法人社会福祉振興・試験センター」のHPには過去3年分の過去問が無料で公開されるようになりました。それをもって「あー、便利な時代になったなぁー」と思った人、その感性はちょっと安直すぎますよ。センターが無料で毎年過去問3年分を公的に公開しているということは、センターが「社会福祉士国家試験を受けるにあたって、過去問三年分は前提ですよ」と言っていると捉えた方がいいです。実際、社会福祉士国家試験を見ても、過去問三年分を前提に出しているなという問題が多々見受けられます。ですから、社会福祉士国家試験を受けるならば最低でも過去問三年分はやっておかなければなりません。
その際に、過去問をやるということを、ただ流し読む、もしくは市販の解答解説集をざっと1周させて「あー過去問覚えた」でおしまい、という人がいます。過去問3年分を前提にして国家試験を出すというのが、過去問三年分から同一問題を出すということと同義であればそれでいいですが、もちろん、そうではありません。「過去問三年分を前提にしている」ということは、過去問三年分で問われていることの周辺はしっかり調べ、勉強していることを前提にしている、ということです。
ですので、私が「過去問三年分は前提」と言っているのは、「過去問三年分をつかって勉強する」ということになります。
ということは、過去問をただ何となく解いて、〇×を解説で見て覚えておしまい、ではありません。過去問を使い、わからないところを教科書等に立ち返って調べる。さらに「なぜ国家試験は、この問題ではこの選択肢に〇をつけさせたいんだろう」と観点を持ちながら、勉強ができるようになると、知識ではなく論理で点が伸びるようになります。
などと言っても抽象度が高くてよくわからないという人もいるでしょう。「わかりやすい」「わかりにくい」で言えば、「これをこう暗記すればいいんだ」式の勉強方法を伝えることほどわかりやすいことはありません。ただ、一方で、その勉強法を教わり、ただただ暗記している途上で「これ、何やってんだろ」と思うことがたた生じます。だから、そんな勉強法を続ける重要な点として「何やってんだろ」と思わないこと、苦行としてただただ無心に暗記することが求められます。
それでも国家試験は合格するでしょう。ただただひたすら暗記の量を増やせばそれは合格です。でも、社会福祉士国家試験そのものはそんな作業を求めていません。それは過去問を読めば読むほどわかります。だったら、社会福祉士国家試験に合わせた勉強をするのが一番効率がいいはずなのです。
第二教材 授業で使った教科書
じゃあ、過去問三年分を使って、国家試験が求めることを論理的につかみ取りながら、わからない時に出会ったときに、ネット上でちょっとググって調べるもいいですが、できれば教科書に立ち戻りたいところです。
「いやー、教科書はめんどくさいんだよね」
おっしゃりたいことはわかります。でも、教科書に戻らず、ググって、それらしいものを暗記するって勉強法が、長い目で見ると最も非効率なのです。長い目と言っても、私が言っているのは1年程度です。一年じゃ長すぎる、3か月ぐらいで、というのであれば、暗記の勉強で何とか詰め込んでというノリの参考書やサイトを参照されればいいかと思います。いや、実は三か月といっても、結局は時間数によるので、三か月あるとしてもそこそこ時間を使えるなら、やはり過去問にしっかり向き合いながら教科書に立ち返るのが効率的だと思います。なぜなら、国家試験の前提は教科書だからです。当たり前すぎる事実ですが、ときおり参考書が前提と素朴に思っている人がいるので改めての確認です。国家試験の過去問を論理的に読み解く際に、参考書中心で勉強してしまうと、国家試験は暗記を聞いてきているように見えてしまうのです。それは、参考書で国家試験を見る見方を覚えてしまうからです。参考書という教材によって、暗記という見方を覚え、その見方で過去問を見れば、過去問も暗記を求めているようにしか見えなくなるのです。そうすると、もうやることは暗記量を増やすしかない、そう思えてしまいます。
もちろんそれを否定はしませんが、そのような知識は役に立ちません。結局、あなたが勉強したことは社会福祉士なる資格を取るため「だけ」のものというそれ以上でもそれ以下でもなくなります。それは今後ソーシャルワーカーになるにあたって大変もったいないと私は思います。
「じゃあ、どうすればいいの?」
一言では言えないので、一日一問、私なりに解説をしてきたいと思います。その解説は、お手軽解説、これ暗記すれば「はいおしまい」のような解説ではないので、時に難しく感じる人もいるかもしれませんが、問題1から順番に何度も何度も繰り返してやっていただければ、必ず点は伸びますし、必ず国家試験に合格できます。
ということで、いっしょに頑張っていきましょう。